メキシコシティ周辺を移動する際、地上は大渋滞が日常茶飯事。そんな中、人々の「足」として、そして新たな観光コンテンツとして熱い視線を浴びているのが、二大ロープウェイ、**メヒカブレ(Mexicable)とケーブルバス(Cablebús)**です。
一見似ているこの2つ、実は**「運営主体」も「役割」も異なります。** まずはその違いから整理しましょう。
そもそも何が違うの?
| 特徴 | メヒカブレ (Mexicable) | ケーブルバス(Cablebús) |
| 運営 | メキシコ州(郊外エリア中心) | メキシコシティ(CDMX)(市内中心) |
| 金額 | MEX$ 9ペソ | MEX$ 7ペソ |
| 開業年・路線 | 2016年開業(Línea 1 / 赤) 2023年開業(Línea 2 / 緑) メキシコ初の都市型ロープウェイ | 2021年:Línea 1(Indios Verdes–Cuautepec) 2021年:Línea 2(Iztapalapa) 2024年:Línea 3(Chapultepec–Santa Fe) |
| 主な役割 | 崖の上の集落と幹線道路を結ぶ「開拓者」 | 市内の交通網(地下鉄等)を補完する「大動脈」 |
| 接続駅 | Indios Verdes(L2のみ徒歩圏内) 少しアクセスが難しい。 | Indios Verdes(直結・バリアフリー)アクセスが容易。 |
| スリル | 高低差が激しくダイナミック | 比較的穏やかで広範囲を網羅 |
どちらも「Indios Verdes駅」から乗車が可能

Indios Verdes駅構内のマップ。ケーブルバスは駅直結で、メヒカブレは一旦、駅から出る必要がある。
1. 先駆者の誇り「メヒカブレ (Mexicable)」
2016年に開業したメキシコ初の都市型ロープウェイ。もともとは、バスも通れないような急勾配の集落に住む人々の移動時間を「1時間から19分へ」短縮するために誕生しました。

歴史と社会的背景
なぜ安いの?: 行政が補助金を出し、運賃を9ペソ(約80円)に抑えることで、低所得層の移動コストを削減し、社会進出を支援する「社会福祉」の側面が強いからです。
2016年(1号線/赤): エカテペックの崖に並ぶスラム街を彩り、治安と利便性を劇的に変えました。
2023年(2号線/緑): 観光客が最も利用しやすい路線。最新技術が投入され、山を一気に越える迫力は唯一無二です。

2号線の停車駅。ずっと座っていれば、一周回って帰ってくることができる。
観光のポイント
- 圧倒的な高低差: 崖のような急斜面をグングン登るため、視界がパッと開ける瞬間のダイナミックな景色は圧巻。
- 午前中は貸し切り状態: 朝のラッシュを過ぎた午前中は非常に空いており、**「貸し切り状態」**で撮影を楽しめることも。筆者が乗車した日曜の午前中でも、ほぼ貸し切り状態でした。
- タイパ最高: Indios Verdes駅から乗って戻ってくるまで、約20分ほどで帰ってこられるので観光の合間に最適です。
- アートな景色: 駅周辺の建物の屋根にはストリートアートが施されており、上空からしか見られない芸術を楽しめます

メヒカブレの乗り口。一般的なケーブルカーと変わらず、乗り易い設計になっている。

社内は景色が見渡せるようにガラス張りになっている。

街を見渡しながら登っていく景色は圧巻。

高所恐怖症の人には少し怖いかもしれないが、一見の価値があるユニークな景色に出会える。
アクセスガイド
Indios Verdes駅からメヒカブレへのアクセス方法
メトロ(地下鉄)3号線やメトロブス1号線の終点である「Indios Verdes駅」は、巨大な交通ターミナルになっています。

①メトロブスのホームを降りる: Indios Verdes駅に到着したら、まずは改札を出る。看板右端の「MEXICABLE」の方向へと進む。

②改札を出て少し進むと、進行方向反対側に、地下へと降りる階段がででくる。ここを降りて出口を目指す。

③地下へ降りて少し進むと、「MEXICABLE LINEA2(メヒカブレ 第2ライン)」の看板が出てくるので、右折する。

④こちらの出口から地上へ上がることができる。

⑤地上に出ると、そこは一般の歩道。多くの露店やバスが並んでいるが、そのまま**緑色のモダンな建物(メヒカブレの駅舎)**を目指して歩く。駅から徒歩約3〜5分程度の距離。

⑥緑色の駅が見てきたらここが入口。ICカードをタッチして中に入ろう。(MIカードも使える)
2. ギネス級のスケール「ケーブルバス(Cablebús)」
メキシコシティ政府が運営。2号線(Iztapalapa)が「世界最長」としてギネス記録に認定されるなど、スケールの大きさが特徴です。

観光のポイント
- アクセスが超快適: Indios Verdes駅から直結しており、迷う心配がありません。
- 街の細部まで見える: メヒカブレに比べると高低差が緩やかで、カラフルな家々の屋根や住民の生活風景をじっくり観察できます。
- 最新の3号線も注目: 2024年にはチャプルテペック公園を横断する**3号線(Línea 3)**も開業。最新の観光ルートとして注目です。
- メヒカブレよりも利用者が多い:タイミングによっては、他のお客さんと相乗りになる可能性が高い。

1号線の路線図。INDIOS VERDES(インディオスベルデス)を出発してそのまま帰ってくることが可能。

Indios Verdes駅構内の青い「CUAUTEPEC」の看板を目指して進めば5~10分程度で乗り場へ到着する。

改札を入るとすぐにケーブルカーへの乗り場が見える。

誰でも簡単に乗り降りできる設計となっている。

車内はガラス張りで、景色を見渡すことができる。

カラフルな家々を超えていく景色は圧巻。

高低差が少ない分、街並みを隅々まで見渡すことができる。
利用ガイド
- 運賃: 7ペソ(地下鉄共通の「MIカード」が使えます)。
- 混雑度: 市民の重要な足のため、日中でも人が多く、貸し切りは難しいです。
観光客が気になる2大ロープウェイの「治安」と「注意点」
治安について
「危険なエリアを通るのでは?」と心配される方も多いですが、どちらも駅構内には警備員が常駐しており、システムは非常に近代的。
- 対策: 日中の明るい時間帯に利用し、目的地のない駅で降りて周辺をうろつかなければ、観光利用でも問題ない印象です。しかし、途中の停車駅は治安が良くない場所もあるので、途中下車は避けた方が良いです。
- 監視カメラ:ケーブルカー内には監視カメラが付いており、また停車駅では駅員が常駐しているため安全。治安が心配な人は複数人での利用をおすすめします。
服装と体調
- 寒さ対策: 上空は風が強く、地上より気温が低いです。特に午前中は冷えるため、必ず上着を一枚持参しましょう。
- 高所: かなりの高度を移動します。高所恐怖症の方は覚悟が必要ですが、それを超える感動が待っています!
- トイレ:駅構内で済ませておければベストです。駅の外でも5ペソほどで公共トイレが使用可能です。
メキシコの活気ある街並みを、渋滞を避けて空中から眺める体験は一生の思い出になります。アクセス重視ならカブレブス、絶景スリルならメヒカブレ。あなたはどちらを選びますか?








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